「動悸がする」「汗をかきやすい」「体重が減る」「手が震える」「寝つけない」このような症状が続く場合、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の可能性があります。
バセドウ病は、自己免疫の異常によって甲状腺が刺激され、甲状腺ホルモン(FT4・FT3)が過剰に分泌される病気です。適切な診断と治療を行えば、多くの方は症状をコントロールし、日常生活を取り戻すことができます。
バセドウ病

「動悸がする」「汗をかきやすい」「体重が減る」「手が震える」「寝つけない」このような症状が続く場合、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の可能性があります。
バセドウ病は、自己免疫の異常によって甲状腺が刺激され、甲状腺ホルモン(FT4・FT3)が過剰に分泌される病気です。適切な診断と治療を行えば、多くの方は症状をコントロールし、日常生活を取り戻すことができます。
バセドウ病は、甲状腺機能亢進症の中で最も頻度の高い原因疾患です。免疫によって産生されるTSH受容体抗体(TRAb)が甲状腺のTSH受容体を刺激し続けることで、甲状腺ホルモンが過剰に産生されます。
甲状腺ホルモンは、いわば「代謝のアクセル」です。過剰になると、以下のような全身症状が現れます。
甲状腺ホルモンは、いわば「代謝のアクセル」です。過剰になると、以下のような全身症状が現れます。
症状の出方には個人差があります。
甲状腺が腫大し、首が太く見えることがあります。
バセドウ病では、甲状腺眼症(目の乾き、異物感、まぶたの腫れ、複視、眼球突出など)を伴うことがあります。眼症の重症度は甲状腺ホルモンの値と必ずしも一致せず、喫煙が最大の悪化因子であることが知られています。
治療せずに放置すると、不整脈(心房細動)、心不全、骨粗鬆症の進行などを引き起こすことがあります。また、感染や強いストレスなどを契機に、甲状腺クリーゼと呼ばれる生命に関わる状態を起こすことがあります。
バセドウ病の本質的な原因は自己免疫異常です。発症には以下の要因が関与すると考えられています。
「甲状腺ホルモンが高い=必ずバセドウ病」というわけではありません。無痛性甲状腺炎など、治療方針が大きく異なる疾患との鑑別が重要です。
を評価し、炎症性疾患との鑑別に役立てます。
この違いは診断上、非常に重要です。
治療の目標は、甲状腺ホルモンを安定させ、症状や合併症を防ぐことです。年齢、重症度、甲状腺の大きさ、妊娠希望、眼症の有無などを考慮して治療法を選択します。
第一選択となることが多い治療法です。
※38℃以上の発熱や強い咽頭痛が出た場合は、直ちに内服を中止し医療機関を受診してください。
治療開始初期は、副作用確認のため2週間ごとの採血・診察が必要です。
動悸や手の震えが強い場合は、β遮断薬を併用することがあります。
放射性ヨードを内服し、甲状腺のホルモン産生を抑制する治療法です。
治療後は甲状腺機能低下症となることが多く、レボチロキシン(チラーヂンS)による補充療法が必要になることがあります。
※眼症がある方では慎重な判断が必要です。
近年は再発予防の観点から全摘術が主流です。術後は甲状腺ホルモン補充が必要になります。
日本では海藻摂取が多く、特に昆布はヨード含有量が非常に高い食品です。バセドウ病では、昆布だし・昆布の大量摂取、ヨード含有サプリなどの“過剰”は避けましょう。
ただし、普段の食事すべてを厳格に制限する必要はないケースも多く、「まずは昆布系の過剰を避ける」が現実的で安全です。(※アイソトープ治療前など、医師から低ヨード食を指示された場合は別です)
喫煙は甲状腺眼症の発症・悪化に強く関与する重要なリスク因子です。禁煙は必須です。
ホルモンが高い間は心臓への負担が増えます。治療で安定してきたら、医師と相談しながら段階的に運動を再開しましょう。
症状が良くなっても、自己判断の中断は再燃や重症化の原因になります。放置すると甲状腺クリーゼなど重篤化することがあります。
治療により症状が出ない状態(寛解)を目指すことが可能です。定期的なフォローが重要です。
通常は「昆布などヨードの極端な過剰摂取を避ける」が基本です。アイソトープ治療前など、医師から特別な指示がある場合はその指示に従ってください。
可能です。ただし治療薬の選択やホルモンコントロールが重要なので、妊娠希望がある場合は早めに主治医へ相談しましょう。
バセドウ病は、正確な診断と適切な治療によりコントロールできる病気です。動悸、体重減少、多汗、手の震えなどが続く場合は、自己判断せず早めにご相談ください。
当クリニックでは、甲状腺専門医が血液検査・エコー・必要に応じた精密検査を組み合わせ、患者さんのライフプラン(妊娠希望、仕事、通院頻度など)も踏まえた治療方針をご提案します。
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